ボサノヴァ (ボサノバ) | 自信をもってお贈るボサノヴァの全て

 

今も愛され続けるボサノヴァ発祥の歴史と、名曲特集

 

 


ボサノヴァ発祥当時のリオデジャネイロ

 

まずは、ボサノヴァの誕生から今日に至るまでのボサノヴァの歴史について簡単にご紹介します。

 

新しい潮流の誕生



時は1940年代、徐々に普及し始めたラジオの影響は少なからずブラジルの近代音楽にも影響を与えました。しかし当時のブラジルは非識字率は50%を超える貧しい時代でもあり、ラジオや後に登場するステレオを所有できたのはごく一部の富裕層だったと言われています。このメディア革命時代にブラジルに登場した代表的なアーティストがフランク・シナトラであり、彼によって持ち込まれたジャズミュージックが徐々に浸透し始めました。当時少年時代を迎えたアントニオ・カルロス・ジョビンは彼の大ファンでもあり20年近い歳月の後、シナトラとのデュエット作品『シナトラ&ジョビン』を製作した事は有名。この時代にジャズに触発された若いアーティスト達によって後に「ボサノヴァ」と呼ばれる、新しい音楽の下地が生まれました。

 

それではブラジル近代音楽に影響を及ぼした、シナトラの大ヒット曲
「All Or Nothing At All 」をご紹介します。



 

ボサノヴァの部屋 (誕生前夜)

 


ボサノヴァの誕生に関わる重要人物として忘れてはならないのが "Nara Leao" (ナラ・レオン)です。彼女は10代の頃から当時リオで有名な作曲家兼、ギタリストであった "Roberto Menescal"(ホベルト・メネスカル)からギターの手解きを受けていました。ナラは大変裕福家庭に生まれ(※1 コパカパーナの海岸にバスルームが5つもある大邸宅に住み、数名の家政婦を抱えるほど)、次第にメネスカルと親交の深い音楽関係者が彼女の家を訪れようになったそうです。カルロス・リラやナラの友人であったアストラッド・ジルベルトに始まり、後にシコ・ブアルキ、カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルト、ヴィニシウス・モライスまでが訪れるようになります。連日明け方まで繰り広げられる演奏会が話題を呼び、次々とアーティストや学生達が訪れ、音楽の輪が次第に大きく広がっていきました。この部屋は「ボサノヴァの部屋」、「ナラ・レオンの部屋」などと呼ばれ、ここで生まれた曲や演奏スタイルが後のボサノヴァの原型になったと言われています。

 

それでは「ボサノヴァの部屋」の主役 ナラ・レオンとホベルト・メネスカルの演奏をご紹介します



 

ボサノヴァの誕生

 


若手アーティストや学生達によって自然発生した"ボサノヴァ"が遂に日の目を見たのは1958年11月、意外と知られていませんが最初の作品は"ヂサフィナ―ド"を含む2曲がシングル化(SP盤)され その後1959年2月にこれらを含む歴史的アルバム「Chega De Saudade」(LP盤)が誕生しました。意図したかのように、 このデビュー曲"ヂサフィナ―ド"の歌詞に初めて"Bossa Nova"という言葉が登場します。ここに至るまでに、ジョビンは方々のレコード会社やプロデューサ等との交渉を重ねたそうで、その甲斐あってオデオンのディレクター"アンドレ・ミダーニ"の独断によって初のSP盤が誕生します。それを聴いた上層部は激怒し、その場で叩き割ったそうですが、予想に反し学生や若者の間でブームを呼び、続くLP盤の製作につながったと言われています。発売当初のボサノヴァの評判については諸説あるようで、JICAを通じてサンパウロに渡った私の大先輩は "発売当時もその後もレコード店や友人宅でボサノヴァのレコードを見かける事はなく、ボサノヴァ自体を知っている人も周りにはいなかった。当時のブラジルではダンスあっての音楽であり、字を読めない人が沢山いる時代にモライスの歌詞を理解できる人は少なく、多くの人は単純でストレートな歌詞を好んでいた" と当時の様子を振り返っていました。ボサノヴァが世界に普及した現在では想像しがたい事ですが、事実は以外にも静かなブームだったようです。ともあれ、その後 ボサノヴァは海を隔てたアメリカ人の手によって意外な展開を迎える事になります。

 

ボサノヴァの代名詞となった、歴史的 名曲「Chega De Saudade」をご紹介します。
Chega De Saudade(シェガ ヂ サウダーヂ)についてはこちら



 

スポンサーリンク

 

アメリカから発信された初のボサノヴァ



1950年代のニューヨーク

 


1859年、リオに誕生したボサノヴァが世界へと発信されるまで更に数年の時を要しましたが、実にひょんな所からその切っ掛けは生まれました。それは1961年アメリカ国務省が文化交流を目的とした南米の外交ツアーにジャズギタリスト"チャーリー・バード"を派遣した事に始まります。ブラジルに渡ったチャーリー・バードは初めて聴くボサノヴァに甚く感動し帰国後すぐに、スタン・ゲッツ(アメリカを代表するテナーサックス奏者)の自宅を訪れます。ブラジルから持ち帰ったジョアン・ジルベルトのレコードを紹介したところ、スタン・ゲッツは大変気に入り、当時ヴァーヴ゙・レコードのプロデューサーであったクリード・テイラーに話を持ちかけました。1960年初頭と言えばオールディーズ全盛期、ステレオが普及し始めた頃で、ましてやジャズのレコードは1万枚売れればビッグ・セラーと言われた時代です。クリード・テイラーは直ぐに飛びつき、幾多の変遷を経て1962年 LP盤"Jazz Samba"が誕生しました。このアルバムはビルボード誌のヒットチャート1位に輝き、1年以上に渡りチャートインされました。クリード・テイラーをはじめ、関係者達はここまで大ヒットするとは夢にも思っていなかったそうです。意外な事にボサノヴァが世界に波及する切っ掛けを作ったのは"チャーリー・バード"だった訳ですが、ここでアルバム"Jazz Samba"の挿入曲"ディサフィナード "の演奏をご紹介しましょう。

 



 

ボサノヴァ爆発前夜


1962年アメリカに誕生した初のボサノヴァアルバム"Jazz Samba"から1年後の1963年、ボサノヴァの世界的一大ブームの火付け役となったグラミー賞受賞作品 "Getz/Gilberto"が誕生します。その間、アメリカの音楽業界は大成功を収めた"Jazz Samba"に続く、次なる作品の製作を試みました。ここではその重要な役割を果たした隠れた名作についてご紹介しましょう。

 

BigBand Bosa Nova


クインシー・ジョーンズ アレンジによるこのアルバムにはまだ本場ブラジルのアーティストは参加しておらず、スタン・ゲッツを筆頭にクラーク・テリー(tpt), ハンク・ジョーンズ(pf), フィル・ウッズ(as), ジム・ホール(gt),ボブ・ブルックマイヤー(tb)など 当時のジャズ・シーンを飾る錚々たるメンバーが参加。挿入曲"Soul Bossa Nova"は映画"オースティン・パワーズ"の主題曲やその他の方面にもしばしば取り上げられました。アルバムはビル・ボード誌の上位にランキングされ、その後半年に渡りチャートインされるなど、前作に続く成功を収めました。あれ?この曲どこかで聴いたことがあるなと思われる方もいらっしゃるかと思います。それでは挿入曲"Soul Bossa Nova"をお聴き下さい。

 



 

カーネギーホールに於ける ボサノヴァ一大イベント


アメリカでの成功を聴きつけたブラジル・ミュージシャン達は自らアメリカ上陸を計画します。オスカー・カストロ・ネヴィス プロデュースの元、その歴史的大イベントは1962年11月21日 カーネギーホールという最高のステージで実現する事になります。会場には音楽ファンはもとより、アメリカの大物プロデューサーをはじめ、マイルス・デイビス、ディジー・ガレスピーといった錚々たる顔ぶれが訪れ、対するブラジル側はジョアン・ジルベルトを筆頭にセルジオ・メンデス、カルロス・リラ、ルイス・ボンファ、ホベルト・メネスカルなど、ボサノヴァの創立者が一堂に会すといった、まさにボサノヴァの船出にふさわしいイヴェントの幕が切って落とされました。 このコンサートの一部始終はアルバム"Bossa Nova At Carnegie Hall"に収められており、ジョアン・ジルベルトが歌う"Outra Vez"(ジョビン作)がアメリカにおける初の肉声と言われています。それではジョアンが歌う"Outra Vez"(また再び)をお聴き下さい。

 



オスカー・カスト・ロネヴィスの記事


 

クリード・テイラーによる第2作 "Jazz Samba Encore"の失敗


カーネギーホールに於ける一大イベントの熱が冷め止まない翌年1963年2月、勢いに乗るクリード・テイラーはブラジルシリーズ第二弾"Jazz Samba Encore"(ジャズ・サンバ・アンコール)を発表します。1作目では全てアメリカ人のミュージシャンを起用したのに対し、このアルバムはスタン・ゲッツ以下、ルイス・ボンファ夫妻、アントニオ・カルロス・ジョビンなど本場のミュージシャンを迎え制作されました。ブラジルテイストに溢れる素晴らしい内容でしたが、予想に反し売れ行きは芳しくなくビジネス的には大失敗に終わります。推測になりますが、この失敗からクリード・テイラーは「英語の歌詞でなければヒットしない」という教訓を得たのだろうと思います(※このアルバムではルイス・ボンファの奥さんがポルトガル語で"インセンサテス"を唄っている)。 ビジネス的な大失敗を経験したクリード・テーラーはその教訓を生かし、万を期して歴史的な名盤の制作にとりかかる事となります。それではルイス・ボンファの妻マリア・トレードが歌う"Insensatez "(お馬鹿さん)をお聴き下さい。

 



 

スポンサーリンク

 

歴史的名盤 「Getz/Gilbert」の誕生



かくして1964年、歴史的なボサノヴァの名盤 「Getz/Gilbert」が誕生します。クリード・テーラー指揮のもと、アメリカからはスタン・ゲッツ(Ts)、トミー・ウィリアムス(Bs)、一方ブラジルからはアントニオ・カルロス・ジョビン(Pf)、ジョアン・ジルベルト(Vo,Gt)、妻のアストラッド・ジルベルト(Vo)、ジョビンの盟友であるミルトン・バナナ(Dr)、総勢6名のミュージシャン等によって制作されました。その後、全米ビルボード誌の2位にランクインされ、翌1965年グラミー賞の中でも最も栄誉ある 最優秀アルバム賞をはじめ、その他3賞を受賞、ステレオの普及と共に世界中が知るところとなりました。
アルバム制作の秘話はこちら

 




 

 

その後の ボサノヴァについて

 


皮肉にもブラジルで生まれポルトガルの歌詞をもつボサノヴァはアメリカ人の手によって英語に翻訳され、音楽スタイルもいわゆる"ジャズ・ボサ"と呼ばれる8ビートのポップスに姿を変え世界に拡散されてしまいました。しかし、それを切っ掛けに世界中の人々が本場ブラジル音楽に関心を寄せるようになり、その結果大勢のブラジル人アーティストがアメリカやヨーロッパへ進出、活躍出来た事も事実です。こうして世界各国の音楽家の下、ボサノヴァは形を変え、より洗練され、ボサノヴァ スタイルによる名曲、名演が生まれました。

 

それではボサノヴァがその後どのような変化を遂げ、世界の名曲がどのようにボサノヴァに姿を変え今日に至ったのか、その点にスポットをあて実際の音源と併せてご紹介していきましょう。

 

スポンサーリンク

 

 

 西欧風アレンジのボサノヴァの名曲

 

Tristeza by Andrea Bocelli

   公開サイト検索:Andrea Bocelli - Tristeza - Live / 2012

Andrea Bocelli (アンドレア・ボチェッリ )

イアタリアの港にたたずむ高級ゾート地 Portofino(ポルトフィーノ)はまさにおとぎの国。ここでブラジルに古くから伝わる名曲「Tristeza」(トリステーザ)が聴けるとは夢にも思いませんでした。特設ステージの中央を飾るイタリアが生んだ世界的テノール歌手 アンドレア・ボチェッリ、そしてサイドにはキューバ出身のハープ奏者 Juan Carlos(ファン・カルロス)。クラシカルな街並みを背景に、繰り広げられる格調高いボサノヴァタッチの "トリステーザ"が幻想的な世界へと誘う,ゴージャスなステージ!至福の時をお楽しみください。



DESAFINADO by New York Voices

   公開サイト検索:AQUI Y AJAZZ, NEW YORK VOICES "DESAFINADO"

New York Voices (ニューヨーク・ヴォイセス)

私がお勧めするジャズ界最高峰のコーラスバンド "ニューヨーク・ヴォイセス"。歌唱力の素晴らしさは勿論の事、色彩豊かなコーラスによる圧倒的なパフォーマンスに思わず耳を奪われます。1986のデビュー以来、度々来日し、ボブ・ミンツァー、イヴァン・リンス、パキート・デリヴェラ、クインシー・ジョーンズ.など、超一流アーティストらと共演を重ね、数々のブラジル音楽も披露してくれました。それでは彼らのヴォイシングの素晴らしさを余すところなく捉えたステージをご紹介しましょう。曲はアントニオ・カルロス・ジョビン作 お馴染みのボサノヴァナンバーから ”デサフィナード”。是非お見逃しなく!



Samba de Vera by Stacey Kent

   公開サイト検索:Marcos Valle, Stacey Kent - So Nice>

Stacey Kent (ステイシー・ケント)

日本のジャズファンにはお馴染みのステイシー・ケントをご紹介します。自身のアルバムでも数多くのボサノヴァ ソングをリリースするなど大のブラジル好きで知られる彼女のライブ映像。典型的ジャズ・ボサですが、ひと味違うのはバックは全てブラジリアン。ブラジルテイストをグッと押さえながらも、ネイティブならではの絶妙なリズムが彼女をの歌を華麗に演出しています。マルコス・ヴァーリのシャレたアレンジが光る、超お馴染みの名曲 "Samba de Vera"(英題 So Nice)を大人のムードタップッリの演奏でお楽しみください。



タワーレコードからのご購入

Speak Low by Diane Schuur

   公開サイト検索:Diane Schuur Speak Low

Diane Schuur (ダイアン・シュアー)

私の最も好きなジャズシンガー ダイアン・シュアーが歌うボサノヴァをご紹介しましょう。1980年代、カウント・ベイシーオーケストラをバックに彗星のごとく現れた天才アーティスト。技巧派 女性ジャズボーカリストといえばエラ、サラ、カーメン、ダイアン・リーブスといった黒人系に独占されていましたが、そんな中ダイアン・シュアーの登場は衝撃的でした。あまり触れたくはないのですが、目の不自由なダイアンの歌は心の底からのメッセージ 感動しかありません。ボサノヴァにアレンジした極上の"Speak Low" お楽しみください。



タワーレコードからのご購入

Eu Sei Que Vou Te Amar by Gloria Estefan

   公開サイト検索:Gloria Estefan - Eu Sei Que Vou Te Amar

Gloria Estefan (グロリア・エステファン)

ソロアーティストで L/P1億枚超えのセールス記録保持者"グロリア エステファン"。キューバ生まれ ラテン系の血を受け継ぐ 抜群の歌唱力、リズム感を武器に10代からプロとして大活躍してきた世界No1 歌姫。20代、はち切れんばかりのグロリアも魅力的でしたが、あれから半世紀、さらに磨きのかかった彼女は円熟の極み。ボサノヴァを歌うグロリアの映像は超レアもの、 世界のスタンダードを集めたアルバム、その名も Standards の収録曲から、ジョビンの名曲"あなたを愛してしまう"スタジオ映像版でご覧ください。



タワーレコードからのご購入

 

スポンサーリンク

 

Besame mucho by Diana Krall

   公開サイト検索:Diana Krall - Besame Mucho

Diana Krall  (ダイアナ・クラール)

ご存じメキシコ生まれの世界の名曲 Besame mucho. 大変情熱的な歌詞で大人の世界ではグローバル・スタンダードとして愛され続けてきました。ボサノヴァにアレンジされた当時はブラジリアンの酷評を買ったそうですが半世紀の時を経て、今は立派なボサノヴァのスタンダードとしても広く愛されています。ジョアン・ジルベルトのクールな歌が有名ですが今回は美人でクールなカッコよすぎる女親分、ダイアナ・クラールのアルバム"Look Of Love"から 静かにそして熱く燃え上がる "ベサメ・ムーチョ"をご紹介します。



タワーレコードからのご購入

Agua de beber by Al Jarreau

   公開サイト検索:Al Jarreau Agua de beber

Al Jarreau (アル・ジャロウ)

惜しくも昨年亡くなられた、ジャズファンお馴染みの男性Vo アル・ジャロウ。喉を楽器のように操る、パーカッシブなスキャットが最大の魅力。1975年のデビュー以来 40年に渡る音楽人生の中で 7度のグラミー賞に輝き、そしてジャズ、フュージョン、ポップス界のビッグアーティスト等と共演してきました。ここではムーディーなボサノヴァから少し気分を変えて、フュージョン風のボサノバでまいりましょう。在りし日の面影をしのびつつ、 元気いっぱいの "おいしい水"(Agua de beber)お楽しみください。



タワーレコードからのご購入

Girl from Ipanema by Gabriela Anders

   公開サイト検索:Gabriela Anders - Girl from Ipanema (Live)

Gabriela Anders (ガブリエラ・アンダース)

アルゼンチンが生んだ天才歌手"ガブリエラ・アンダース"。ご紹介する曲はお馴染みの"イパネマの娘"。まさに"ジャズ系 ボサノヴァ"の典型といえるメロー&ジャージーなアレンジ。ガブリエラは遡る事 1995年 ボサノヴァ ユニット "Beleza"のリードボーカルとしてデビュー。ジョビンのオマージュ作品でデビューした彼女は後にいくつものブラジル系アルバムをリリース。特徴あるソフトで繊細な歌声で世界の歌姫として君臨してきました。1998年にリリースされたアルバム"WANTING"の収録バージョンから、ライブ映像でお楽しみください。



タワーレコードからのご購入

Jobim Medley

   公開サイト検索:Flora Purim, Elaine Elias Jobim Medley

Brasil & American All Stars

ブラジル&アメリカの超一流ミュージシャン競演によるジョビン・メドレーをお聴き下さい。一体誰が主役なのか分かりません!どのお方をとっても主役級のアーティスト揃いです。おそらくイリアーヌのアレンジでしょうか?軽快なリスムに乗せて、ジョビンお馴染みのボサノヴァ メドレーがスリリングに展開していきます。最もゾクゾックしちゃうのはフローラの"おいしい水"からサンボーンの"ヂサフィナ―ド"に突入する瞬間。アドリブこそありませんがサンボーン独特の艶やかで粘りのあるアルトソロは文句なし。残念ながらオスカー(Gt)、ナナ・バスコンセロス(Per)は既に他界。二度と聴く事の出来ないブラジル&アメリカ勢による歴史的 夢の共演!



Let’s Fall In love by Kevyn Lettau

   公開サイト検索:kevyn lettau Let’s Fall In love

Kevyn lettau (ケヴィン レトー)

往年のジャズファンの方であれば大変懐かしい、フランク シナトラ、エラ フィッツ ジェラルド等によって1940年〜1950年にかけて大ヒットした歌曲 Let’s Fall In Love (恋をしましょう )。ブラジル音楽界の鬼才ドリカイミによる大胆なアレンジ、アメリカの一流ジャズマン達によるパワフルでドライブ感にあふれるサウンドに乗って、私のお気に入りの歌手 ケヴィン・レトーが歌います。ボサノヴァに変身した懐かしの名曲をお楽しみください。



タワーレコードからのご購入

Light My Fire by Jose Feliciano

   公開サイト検索:ハートに火をつけて/ホセ・フェリシアーノ

Jose Feliciano (ホセ・フェリシアーノ)

これをボサノヴァと言ってはお叱りを受けるかもしれません。1960年代とえばエレキギターの一大ブームが訪れた時代であり、ボサノヴァによってガットギターもポップスの世界に浸透し始めた時代でもあります。その中でも私が一生一忘れる事が出来ないのがホセ・フェリシーアが歌う「Light My Fire」(ハートに灯をつけて)。生まれつきの緑内障の為光を失ったホセが歌う「ハートに灯をつけて」は大きな感動と共に大ヒットしました。当時、アメリカに於ける有色人種やヒスパニック系への差別は激しく、そんな中盲目の彼は少年時代から1人バスに乗せられアメリカ全土をツアーして回っていたと聞きます。そんな苦労人が歌う熱い心の叫び、是非お聴き下さい。



Un ramito de violetas by Sole Gimenez

   公開サイト検索:Sole Gimenez - Un ramito de violetas

Sole Gimenez (ソーレ・ヒメーネス)

最後にご紹介するボーカリストはスペインを代表するジャズ系ボーカリスト ソーレ・ヒメーネス。この方は知らない人も多いかと思いますが、私の中ではトップ5に入るラテン系歌姫。 ボサノヴァも大好きなようで数多く歌っておられます。スペイン調のアレンジが最大の特徴でかつて聞いたことのないユニークなサウンドに釘付けになること請け合い。私がお気に入りの必聴映像を最後にご紹介しましょう。若くして亡くなったスペイン伝説のシンガーソングライター "Cecilia "の名曲から Un ramito de violetas(小さなスミレの花束)。2曲目はジョビンの名曲"3月の水"





 

スポンサーリンク

 

 

日本にもあります、ボサノヴ調の名曲

 


日本のボサノヴァはもともとジャズ・プレイヤー達によって日本に持ちこまれ、普及した歴史をもっています。ジャズのライブハウスでも激しいビーバップの合間に、「チョット気分を変えて」といった具合で、ボサノヴァタイムが必ず挿入され、一方、名曲の宝庫呼ばれた昭和歌謡にもジャズ系の作曲家、演奏家、アレンジャーの手によってボサノヴァが持ちこまれいくつもの名曲が誕生しました。それでは私がお勧めする歌謡ボサノヴァをいくつくかご紹介しましょう。

 

どうぞこのまま by 丸山圭子

   公開サイト検索:YouTube 丸山圭子 どうぞこのまま

日本のボサノヴァ その1

大人の世界ですねぇ、歌詞も妖艶でメロディーも一部の隙もない、私などはジョビンのオ・グランヂ・アモールをつい連想してしまいます。和製ボサノヴァは本場ボサノヴァの2ビートとは異なり、本曲のような8ビートが主流でした。特にベースは「ドン・ド・ドン、ドン・ド・ドン」の繰り返しで、これが和製ボサノヴァを象徴するリズムパタンだったようです。いつもは歌詞の意味も分からず本場ブラジルのボサノヴァを聴いている私ですが、日本語の歌詞で歌われてしまうと、本当に心の底からシビレますね。それでは、ごゆっくりとお楽しみください。



シルエット ロマンス by 来生たかお

   公開サイト検索:来生たかお シルエットロマンス

日本のボサノヴァ その2

一口にいって来生たかお さんは天才。歌詞はお姉さんの来生悦子さんですが、文字通りロマンス溢れる歌詞に女性は心を鷲掴みにされる事必至。兄姉ならではの息のあった名曲ですが歌詞を彩るメロディ、編曲などなど、どれをとっても完璧な出来栄え。イントロのトゥーツ・シールマンスを想わせるハープも色ぽっく、控えめながらもガットギターのコードワークもキラリと光ります。解説は不要、ボサノヴァに染められた愛の名曲、お楽しみください。コードアレンジはこちらをご参考に



黄昏のビギン by 高橋真理子

   公開サイト検索:黄昏のビギン 高橋真梨子

日本のボサノヴァ その3

世界中で脚光を浴びた日本歌謡の金字塔「上を向いて歩こう」の作者 中村八代&永六輔衛 黄金コンビの作品。水原弘の大ヒット曲「黒い花びら」のB面にカップリングされたそうですが、30年の時を経て1991年、ちあきなおみさんを始めとする多くの歌手のカバーソングとして徐々に頭角を現した隠れた昭和歌謡の名曲。未だに知らない方も多いかもしれませんね。昭和歌謡の真骨頂ともいるほのぼの感溢れるメロディーに心を奪われる事間違いなし。ボサノヴァがよく似合います!高橋真理子さん美しすぎます! 石田すみれさん&セルジオ・メンデス のレア映像と併せてご紹介しましょう。




別れのサンバ by長谷川きよし

   公開サイト検索:長谷川きよし、別れのサンバ、n3

日本のボサノヴァ(サンバ) その4

昭和44年に日本の歌謡界に登場した「別れのサンバ」。昭和40年代と言えば海外ではビートルズ、国内では昭和歌謡とグループサウンズ真っ直中の頃、ガットギタ―と黒いサングラスでチョット異色な雰囲気で登場した長谷川さん。大変印象的でしたが暫くして目が不自由な事に気付きました。当時盲目のギタリストと言えば既にご紹介したアメリカのポップシンガーホセ・フェリシアーノ、日本でも彼の「ハートに灯をつけて」や「夢のカリフォルニア」が大ヒットした頃でもあり、そのイメージが重なり日本のホセ・フェリシアーノと呼ばれ、静かなブームが生まれました。初めはTVに数回見かける程度の地味なスタートでしたがラジオを通して次第に若者の心を捉え大ヒットを迎えました。あまり目の事には触れたくありませんが、想像を超えた時空間から生まれる熱い歌声が我々の心に響いたのでしょう、そして今日までその感動は冷める事なく多くの人に愛され続けてきました。ご紹介する映像は敢えてモノクロ版をセレクト。近年長谷川さんをサポートしてきた仙道さおりさんのパーカッションもご機嫌!あの感動を今一度 お楽しみください。



 

スポンサーリンク

 

 

ブラジルで生まれた ボサノヴァの名曲

 


ボサノヴァと言えばカルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトを思い浮かべる方も多いかと思いますが、実はまだまだ他にも多くの作曲家や演奏家によって世に送り出された名曲があります。このコーナーではボサノヴァ スタイルで歌われてきた数々の名曲、アーティストに視点を当てて、いくつかご紹介していきたいと思います。

 

Capim (草)

   公開サイト検索:Pot-Pourri: Capim Serrado

作詩、作曲: Djavan (ジャヴァン)

ブラジル MPB界を代表する現代アーティストJavan(ジャヴァン)。自然をテーマにしたユニークな楽曲や、独特の歌い回し、抜群のリズム感を武器に数々の世界的ヒット曲を放ち続けてきました。最近ではヂオゴ・ノゲイラ、今回ご紹介するAlexandre Pires (アレシャンドレ・ピレス)などサンバ、パゴーヂ界の人気アーティスト等が競って彼の曲をカバーを発表し、第2のジャヴァンブームの到来とも言えるフィーバーぶりです。ジャヴァンの曲の特徴は独特の転調にありますが決して奇をてらったものでは無く、ごく自然に私達の心に響いてきます。そんな彼の代表曲”Capim”をご紹介しましょう。最高のアレンジで都会的にオシャレなボサノヴァに変身したジャヴァンの名曲をメドレーでお楽しみください。



Chove Chuva (ショヴィ・シュヴァ)

   公開サイト検索:Sergio Mendes Chove Chuva Ivete Sangalo

作詩、作曲: Jorge Ben (ジョルジュ・ベン)

ジョルジュ・ベンは日本ではあまり知られていませんが、サンバと西洋音楽を融合したアーティストとして、彼を知らないブラジル人は1人もいないと言っていいでしょう。中でも最も有名なのがあの"マシュ・ケ・ナダ"で、セルジオ・メンデスのアレンジで大ヒットした事はご存じのはず。ご紹介する"ショヴィ・シュヴァ"もセルジオ・メンデスによって名を上げた曲で、最近ではあまり聴かなくなりましたが初期のライブでは必ずといって言いほど演奏されていました。それでは、オシャレなボサノヴァに変身したジョルジュ・ベンの隠れた名作 "ショヴィ・シュヴァ"! イヴェッチ・サンガロの歌でお楽しみください。



あひるのサンバ

   公開サイト検索:Eliane Elias - O Pato

作曲 : Jaime Silva(ジャイミ・シウヴァ)
作詞 : Neuza Teixeira(ネウザ・テイシェイラ)

"ガチョウのサンバ"とも呼ばれますが、大変ユーニークな歌詞を持つ楽しさ一杯の楽曲で多くのアーティストがボサノヴァスタイルで歌っています。ガチョウ、あひる、カモなどが登場し賑やかにサンバを歌うという内容でサウダージとは全く無縁の歌詞。幼稚園や小学校の教科書に載せても不思議ではない曲ですが、何といっても歌詞とメロディのコラボが最高。ご紹介するテイクはブラジルが生んだ天才ピアニスト兼ヴォーカリスト Eliane Elias(イリアーヌイリアス)。私が演ったら普通には終わらせませんよと言わんばかりの、コードアレンジとアンサンブル。ノリノリの"あひるのサンバを"お楽しみください。



タワーレコードからのご購入

Se Todos Fossem Iguais A Voce

   公開サイト検索:Se Todos Fossem Iguais A Voce And Friends

作曲 : Antonio Carlos Jobim (カルロス・ジョビン)
作詞 : Vinicius da Moraes (ヴィニシウス・ヂ・モライス)

私がジョビン&ヴィニシウスのボサノヴァを3曲挙げろと言われればまずこの曲を選びます。"もしすべてがあなたと同じだったら"というタイトルですが、愛をテーマにしたヴィニシウスの哲学的且つ深遠な詩、そして 一分のスキもないジョビンのメロディーとが完全一体化した最高傑作のひとつ。一般的な知名度はさほどではないようですが、演奏家達の評価が高く、珍しい所ではフランク・シナトラが英題"Someone To Light Up My Life"でリリースするなど、数多くのカバーが存在します。それでは私の最もお気に入りのテイクをご紹介しましょう。イントロはハービー・ハンコックの文句なしのピアノソロで始まります。歌はご存じガル・コスタ、その他カストロ・ネヴィス、ロン・カーター、ハービー・メイソンなど錚々たるメンバーが一堂に会し、タイトルの思いをそのままジョビンに捧げた感動的なライブ演奏です。それでは歴史的な名演をお楽しみください。



タワーレコードからのご購入

 

スポンサーリンク

 

Aquarela do Brasil (ブラジルの水彩画)

   公開サイト検索:Joao Gilberto - Aguarela do Brasil

作詞、作曲 : Ary Barroso (アリ・バホーゾ)

この曲と作曲者アリ・バホーゾを知らないブラジル人は誰1人としていないでしょう、そしておそらく数えきれないほどのカバーが存在する事でしょう。いわゆるボサノヴァの誕生を遡ること20年近く前に生まれた元々はサンバの曲ですがジョアン・ジルベルトが取り上げたことでボサノヴァのナンバーにもなってしまいました(勿論ジョアンは最初から最後までサンバを歌っているつもりでしたが)。とにかくカーニバルやセレモニーではもとより、ビールのコマーシャルにも登場する、世界的な規模で普及した名曲と言えるでしょう。祖国ブラジルの美しさを讃えた詩と、誰の耳にも素直に溶け込む普遍的なメロディーが多くの人々の感動を呼びました。ジョアン・ジルベルトの中期の名作"イマージュの部屋"からのご紹介となりますが、後半に登場するのは歌声は カエターノ ヴェローゾ、ブラジルを代表する美声の持ち主、ジョアンとカエターノのデュエットでお楽しみください。、



タワーレコードからのご購入はこちら

 

Berimbau (ビリンバウ)

   公開サイト検索:Dori Caymmi Douglas Theater "Berimbau"

作曲 : Baden Powell (バーデン・パウエル)
作詞 : Vinicius da Moraes (ヴィニシウス・ヂ・モライス)

奴隷としてブラジルに連れてこられたアフリカ系の人々は、来るべき解放の時に備え「カポエイラ」と呼ばれる戦いの踊りを隠れ蓑に、密かに武術を磨いていたと伝えられ、ビリンバウはカポエイラを踊る際に使われる、弓矢の形をした大変ユニークな弦楽器で独特な音を奏でます。この曲がもつ神秘的なメロディーとビニシウスの哲学的な歌詞による独特な雰囲気が人気を博し、多くのアーティスト達によってサンバやボサノヴァの舞台で取り上げられてきました。ご紹介するビリンバウは鬼才 ドリ・カイミのコードアレンジが、美しくも妖しい浮遊感を漂わせる私の最も好きな作品です。



 

Voce E Eu (あなたと私)、Coisa Mais Linda(もっとも美しいもの)

   公開サイト検索:Carlos Lyra - Voce E Eu

作曲 : Carlos Lyra (カルロス・リラ)
作詞 : Vinicius da Moraes (ヴィニシウス・ヂ・モライス)

皆さんがイメージするボサノヴァの典型と言ってよいでしょうか。ご紹介するカルロス・リラはボサノヴァ発祥当初からボサノヴァスタイルの名曲を量産した作曲家兼、アーティスト。シンプルで誰の耳にも素直に伝わるメロディはジョアン・ジルベルトを始めとするアーティストに好んで取上げられ、ジョアンと並ぶボサノヴァの代名詞的存在として広く愛され続けてきました。おそらく読者の皆さんも"これどっかで聴いたことがある"とお思いの事でしょう。それでは私の好きな彼の代表作 "Voce E Eu","Coisa Mais Linda" 2曲続けてご紹介しましょう。




 

O Cantador (歌い手)

   公開サイト検索:Anna Setton - O Cantadoru

作曲 : Dory Caymmi (ドリ・カイミ)
作詞 : Nelson Motta (ネルソン・モッタ)

英題「Like a Lover」と名付けられた本曲はジャズやボサノヴァ シーンで広く取り上げられ、世界中のアーティスト等から愛され続ける名曲中の名曲と言えるでしょう。1960年代にエリス・へジーナの歌で登場、大ヒットを遂げましたが、ジャズシーンではサラ・ボーン、ステイシー・ケント、ダイアン・リーブス、ジェーン。モンハイトなどなど錚々たるシンガーがリリース。原題の "Cantador"(歌い手)より 英題"Like a Lover"の方がピンとくるかもしれません、爽やかなラブソングはブラジル音楽界に深く関わっきた ネルソン・モッタ、曲はブラジルからアメリカに渡り大活躍した巨匠ドリ・カイミ作。目下売出し中のアンナ・セットンと大ヒットを飛ばしエリスが歌う2テイクをご紹介しましょう。




 

 

------> まだまだ続くよ ボサノヴァの旅! こうご期待

 

 

最後に

 


ボサノヴァで綴る大人の世界 いかがでしたでしょうか。
少しずつ投稿を続けますので、またの訪問 お待ちしております。

 

スポンサーリンク

 

投稿一覧 [1][2][3]
ページトップ  ホームページ  ギタリスト特集 女性ボーカル特集

カスタム検索


トップ 全記事一覧 女性ボーカル特集 ギタリスト特集 ジョビンの名曲特集 凄腕ミュージシャン特集