ドリヴァル・カイミ | 永遠に生き続けるバイーアの守護神

 

 

バイーアの心の故郷

 

ドリヴァル・カイミ ( Dorival Caymmi )

 


<プロフィール>
出生名:Dorival Caymmi
出生日:1914年4月30日〜2008年8月16日 没
出生地 :バイーア 州 サルバドール
紹介  : 少年時代からジャーナリストを目指し、早くに学校をやめ新聞社に務めたと言う。趣味で楽器を嗜む父と、歌好きの母の元で育ったが、特に音楽の英才教育をうけた経験はない。10代でギターを手にし、後に作曲活動を開始、19歳の時彼の代表作 'O QueEQue a Baiana Tem'が生まれた。以後、コンテストで受賞するなど次第に名声が高まる中、ジャーナリストへの夢を求めてリオに移住。生涯を通じ20枚以上アルバムを残し、また一方では俳優、画家としての才能も開花させた。音楽一家としても知られて、三人の実子 ナナ・カイミ、ドリ・カイミ、ダニーロ・カイミは何れも活躍を続ける人気アーティストである。バイーアの市井な生活を歌った彼の作品は今日まで歌い継がれ、その飾らない美しいメロディーは後の作曲家、演奏家達に多大な影響を与えた。


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愛され続ける ドリヴァル・カイミの魅力

 

 

ドリヴァル・カイミの音学は市井な日常に根ざしており、どこにである光景(色恋、仕事、家庭、自然..)を、時にユーモラスに、時にシリアスに歌い上げている。

 

軍事政権時代に於いても政府を激しく批判する事はあったそうだが、それを音楽に持ちこむ事はなかった。その時代のMPB界の先鋒 カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、イヴァン・リンス等の作品には政治色の強い作品も多かったが、彼の詩から聞こえてくるのものは一貫して女性の話や、故郷であるバイーアの情景、そして働く男たちにの姿であった。

 

楽曲について言えば、コード進行は極めて現代的である一方で旋律はシンプル且つ自然にイントロからエンディングまで一部の隙もなく完成されている。

 

故郷を愛し、そしてブラジルの魂を飾らぬ姿で歌いあげるドリヴァル・カイミの姿は今なお多くの国民に愛され続け、後のアーティスト達に多大な影響を与えた。
ちなみにドリヴァル・カイミの死に際し、時の35代大統領ルイス・シルヴァは「ブラジルのポピュラー音楽の創始者」と賛辞を送り、生前、親交が深かったアントニオ・カルロス・ジョビンにして「天才」と言わしめた事は逸話として語り継がれている。

 

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ドリヴァル・カイミの代表曲

 


彼の名曲を挙げればきりが無い訳だが、残念な事にオリジナル版は入手困難な状況が続いている。カバー作品を含め、私のお気に入りを3曲ほどご紹介しよう。

 

Doralice (ドラリセ)

この曲を知らないブラジル人はお年寄りから子供まで1人もいないだろう。私も大好きな曲で、またカバーの多さもおそらく一番ではないだろうか。

 

本国はもとよりアメリカ、ヨーロッパそして我が国に日本に至るまで世界中のアーティストに取り上げられている。特に歴史的なヒット作「Getz & Gilberto」に収録されている事でも有名だ。

 

主題の"ドラリセ"は女性の名前だが普通のラブソングではなく、優柔不断な色男が女心をもてあそぶといった少しコミカルな内容。多くの女性歌手が歌っているが、本来は男性が歌う曲のようである。

 

詳しい歌詞の意味を知らなくても、メロディーだけでも十分に楽しめる作品。一曲目はデビュー当時の ガブリエイラ・アンダース のジャズっぽいテイク、二曲目はイタリアから'Nossa Alma Canta'によるボサノヴァ版、最後はブラジルの新人'マイーザ'が歌うショーロ風 ドラリセ 続けてご紹介する。

 

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Doralice by Gabriela Anders

検索キーワード:Tribute To Antonio Carlos Jobim / Beleza


ひとくち コメント : 超ノリノリです。

Doralice by Nossa Alma Canta

検索キーワード:doralice - nossa alma duo


ひとくち コメント : ここのヴォーカルは本当にうまい!

Doralice byMaysa

検索キーワード:Maysa - Doralice (Dorival Caymmi)


ひとくち コメント : 最高の絵です。何故か超真剣モードのショーロ。

 

E Doce Morrer no Mar (海で死ねたら幸せ)


ドリヴァル・カイミの故郷バイーアは大西洋に面した湾岸都市として知られている。

 

バイーアで漁業を生業とする海の男の歌で、海に出たまま漁師が戻らずボートのみが浜に打ち上げられるといった深い悲しみを歌っている。

 

今とは違い当時の漁は危険な仕事だったのであろうか、現代のような装備も満足な捜索もなく海の男たちは死んで行ったのかもしれない。

 

推測だがカイミはこういった光景、現実を幾度となく見てきたのだろう。
勇敢な海の男の死を '海で死ねたら幸せ' と讃えている。

 

ご紹介するのはドリヴァル・カイミ 感動のオリジナルテイク。

E Doce Morrer no Mar by Dorival Caymmi

検索キーワード:E doce morrer no mar - Dorival Caymmi


 

Saudade da Bahia (バイーアの郷愁)

ドリヴァル・カイミ20歳の作品で、一世を風靡した最高峰のサンバ歌手(兼 女優)の"Carmen Miranda "(カルメン・ミランダ)の歌で大ヒットした曲。

 

この曲が生まれた当時、カイミは作曲家として頭角を現し始めた時期で、彼の作品の中では最古の部類に入る。

 

富を求めバイーアを後にした男が、故郷を懐かしみ激しい後悔の念に駆られる、そういった心情を歌っている。

 

大変シンプルな曲だが私が最も好きな曲の一つ。

 

ご紹介するテイクはブラジルを代表する世界的アーティスト 'トニーニョ・オルタ'のソロ演奏。シンプルで素朴なサンバが、トニーニョ お得意のコードアレンジで見事な変身を遂げている。

Saudade da Bahia by Toninho Horta

検索キーワード:Saudades Da Bahia Toninho Horta Brasil

 

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最後に

 

オマージュ作品のご紹介

 

 

私のお気に入りの 'Rosa Passos'(ホーザ・パッソス)のアルバム「Rosa Passos canta Caymmi」をご紹介して、お別れです。

Rosa Passos canta Caymmi by Rossa Pssos


O Samba da Minha Terra (我が祖国のサンバ )
カイミの代表作 全13曲が収録されており。タイトルからもわかるように完全なドリヴァル・カイミのオマージュ作品。因みにホーザ・パッソスはドリヴァル・カイミと同郷のバイーア州サルバドール出身でもあり、勿論サンバ・ミュージックの大先輩でもある。スカートをはいたジョアン・ジルべトと称されるだけあって、このアルバムでも軽快なギター&ヴォーカルが楽しめる。アレンジは彼女と付き合いが深い ルーラ・ガルヴァオン。ルーラの手によってアーシーなオリジナル・サンバがハイセンスなジャズ調に仕上がっている。最後に、ジョアンの歌で御馴染みの'O Samba da Minha Terra (我が祖国のサンバ )'をご紹介しましょう。

 

公開サイト検索キーワード:Rosa Passos - O Samba da Minha Terra


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