トニーニョ・オルタ | ミナスが生んだ MPB界の至宝の名作

 

トニーニョ・オルタ

 

ミナスが生んだ MPB界の至宝の名作

 

 

Toninho Horta氏を紹介する。

 

私にとっては大ネタ中の大ネタ。

 

個人的な話で恐縮だが、私は彼の音源、映像の殆どを所有している

 

いわゆるオタクである。

 

彼については1ページだけでは語りつくせないので、

 

今後も連載していこうと思う。

 

まだトニーニを知らない多くの方々に彼の素晴らしさを知って頂く為に、

 

第一段として最も馴染みやすい作品を用意した。

 

私が生まれて初めてトニーニョを聴いたアルバムでもある。

 

トニーニョのギターテクニックを身に付けたい方はこちらのページも参考にしてください。

 


アルバム:Sem Voce
1995年リオで録音された、トニーニョ・オルタとジョイズのデユエットによる作品。タイトルの「Sem Voce」を始めとして全曲アントニオ・カルロス・ジョビンのお馴染みの名曲を取り上げている。単なる楽しさだけのデユエット作品ではない。トニーニョのギターテクニックを知る上でこれ以上の作品はない。ジョイズの透き通ったヴォイスも全開である。「Ela e CArioca」「Dindi」「Ligiai」「So Danco Samba」などを含む全13曲を収録。MPBファンならずとも見逃すことの出来ない必聴盤。


タワーレコードからのご購入はこちら

 

スポンサーリンク

 

 

トニーニョ・オルタの名曲を聴いてみよう!

 

 

映像サイトの検索キーワード: toninho horta manuel audaz
若かりし日の、彼の名曲「Manuel O audaz」

 

トニーニョ・オルタという人 

 

私は既に閉店してしまった青山のサバス東京に出演している頃から彼の

 

ライブには顔を出していた。ブルーノート東京に出演するようになった

 

以降もである。

 

ブルーノート東京に出演するトニーニョを見に行った日の事。

 

ここは演奏時間が凡そ1時間位、開演するまでは

 

飲んだり食ったりする店だ。

 

普通、開演前のこの時間にアーティストは顔を見せない。

 

開演の時が来るとスッと照明が落とされ、ライト・アップされた主役が

 

颯爽と登場する。

 

いよいよ、お目当てのスターが真近で見れる瞬間。

 

ここが最初の見せ場、最大の演出である。

 

ところがこの日トーニーニョは開演前の食事中にいきなりステージに

 

登場し、ギターのチューニングを始めてしまう。

 

しかもチューニングが終わった後、軽くウォームアップし、思わず拍手を

 

送る観客と楽しそうに会話しているのだった。

 

トニーニョ・オルタとはこういう人物。

 

サバス東京時代もいつも そうだった。

 

開演の前後ではファンサービスを惜しまず、仕事が終わると店内の大きな

 

ソファーにどっかり座りテーブル一杯に広げられた馳走を頬張っていた。

 

ひたすら音楽が好きで、自分の音楽を支えるファンと一緒に楽しみたい。

 

そういう気さくで、飾らない人柄だった。

スポンサーリンク

 

トニーニョ・オルタの手 

 

1998年トニーニョが来日し,サバス東京で開演した時だったと思う。

 

私も多少ギターに心得がある者として彼の手には前々から興味があり、

 

ロビーで一緒に写真を撮影してもらった後、彼に手を見せてくれないかと

 

お願いしたところ、快く応じてくれた。

 

とにかくデカい!

 

これが最初の印象。

 

えっ 右手の指に殆ど爪がない!

 

彼が言うには、それは生まれつきで、どんな形状かというと
我々の爪の根元にある薄いピンクの半月の部分よりやや
大きい位の爪が指先にチョコンと乗っかっている。

 

要するにギター演奏に爪は使えない訳だ。

 

指の先が細く尖がっている!

 

普通の人間は指の根元と先端の太さはさほど変わらないと思っていたが、
彼の指は先端に行くほど細くスラッとしている。

 

尖ってると表現したほうが正しい。

 

何故私が彼の指にこだわるのか? 

 

冒頭のアルバムがトニーニョを知るきっかけとなった初の
音源だが、何より驚いたのはその音色の美しさにある。

 

音の粒立ち、立ち上がりはしっかりしているが、爪で弾く尖ったトーン
ではなく、あくまでもソフト。

 

まるでハープのような音色。

 

手をみて全て納得いったが、彼は尖った指頭を使い、そして大きな手の

 

パワーをもって、ナイロン弦を弾いてる。

 

工夫していた訳ではない。それしか弾きようがなかったのだ。

 

トニーニョの美しいトーンの秘密は天から与えられたその指先にある。

 

もし爪を与えられていたら、彼のトーンは無かったかもしれない。

 

いわばギターを奏でる為にこの世に生を授かった、

 

そんな御仁である。

スポンサーリンク

 

アルバム 「Sem Voce 」 について 

 

収録曲は下記のとおりである。

 

1 Ela E Carioca
2 A Correnteza
3 Inutil Paisagem
4 Frevo de Orfeu
5 Ligia
6 Vivo Sonhando
7 Dindi
8 So Danco Samba
9 Outra Vez
10 Sem Voce
11 Este Seu Olhar / So Em Teus Bracos
12 Estrada do Sol
13 Ela E Carioca(Take 2)

 

ジョビンファンにはお馴染みの曲のオンパレードであるが、詳しくない方
でもどこかで聴いた覚えがあるかもしれない。

 

特にお気に入りの曲について触れてみる。

 

Sem Voce (貴方なしでは)
アルバムの表題の曲である。タイトル曲だけにあって、完璧な出来である。
終始静かなバラードで進行する。トニーニョの美しいイントロに始まり続いてジョイスの唄が語りかけるような口調で始まる。バックにはトニーニョの煌めくようなナイロン・ストリングの音が、見事にジョイスのボーカルに絡み合う。文句なしのテイクである。

 

So Danco Samba
ジョビンのあまりに有名なポップスなので演奏家はあまり取り上げないが、ここでの彼らのコンビは最高である。サンバのリズムに乗って聞こえてくるのはジャズそのもの。ジョイスのフェイクも天衣無縫といってよい。その彼女のアドリブに見事にトニーニョのギターがに呼応している。こんな事を言うとシラケるかも知れないが、綿密に打ち合わせて相当リハを積まないとあり得ない。それほどピッタシ息の合った演奏である。

 

Dinji
二人のルバートで始まる。この時の二人のコンビネーション、とりわけトニーニョのギターワーク、コードのセンスが抜群である。本題は静かなスローテンポのボサノバで始まる。トニーニョの美しいがコード、アルペジョが終始ジョイスの歌を引き立てている。ギターのハービーハンコックと言わしめた彼のコードワークを知るうえでも非常に参考になるテイクだ。

 

簡単に紹介したがこの3曲を選ぶだけでも苦労した。
全曲がどれも素晴らしいからだ。

 

 

おすすめ 関連作品

 

 


アルバム : Duets
トニーニョのもう1つのデュエット作品。デュエットの相方はイタリアのフルート奏者「Nicola Stilo」。トニーニョのギターもさることながらこのフルーティストが凄い。曲もエバンスの「VERY EARLY」、ケニー・ダーハムで有名な「My Ideal」といったジャズナンバーに加えトニーニョのオリジナル「Vento」、「Bons AMIGOS」を含む全10曲。ジョイスのデュオとは異なりインストを中心とした、二人のアドリブ、掛け合いが十二分に楽しめる、紛れもない名盤である。


タワーレコードからのご購入はこちら

 

スポンサーリンク

 

 

おすすめ 映像

 


私のお気に入りの映像をご紹介しよう。

Aqui, Oh!

検索キーワード:Toninho Horta Live - Aqui, Oh!


近年のトニーニョのソロ演奏

検索キーワード:Show de Toninho Horta - Parte 1


検索キーワード:Show de Toninho Horta - Parte 2

 


Nelson Falia & Toninho Horta



 

 

最後に

 

 

トニーニョ・オルタ、ジョイスの共同作品 「Sem Voce」 を紹介した。

 

投稿するにあったって、もう一度全て聞きなおしてみた。

 

名盤は 何度聴いても、いつ聴いても素晴らしい。

 

トニーニョについては彼のコードワーク、テクニックにもふれ、
今後もドシドシ投稿していく。

 

乞うご期待。

 

スポンサーリンク

 

関連記事「フラヴィオの名曲」はこちら

 

投稿一覧 [1][2][3]
ページトップ  ホームページ  ギタリスト特集 女性ボーカル特集

カスタム検索


トップ 全記事一覧 女性ボーカル特集 ギタリスト特集 ジョビンの名曲特集 凄腕ミュージシャン特集