YUTAKAの名曲 ブラザジア | ブラジルに渡った 日本人アーティスト YUTAKA が作曲した名曲 BRAZASIA

 

日本人アーティスト YUTAKA 作曲

 

BRAZASIA(ブラザシア)

 

 

YUTAKAこと「横倉裕」氏は知る人ぞ知る 日本を代表する
ブラジリアン・アーティストだ。

 

今回は彼が1990年に発表した一押しの名曲「BRAZASIA
をご紹介しよう。

 


< プロフィール >
出生名: 横倉裕
出生: 1952年 東京生まれ 64歳(2016年現在)
経歴: セルジオ・メンデスの影響を受け高校時代から音楽活動を始める。学生時代に国内ポップコンテストで優勝。73’年21歳にして渡米。5年後の78’年デイブ・グルーシンが設立したレーベルGRPから アルバムLOVE LIGHT でデビュー。その後同レーベルからYUTAKA (1988年)、Brazasia (1990年)、Another Sun (1993年)を発表する。ボーカルはもとよりピアノ,琴など幅広く楽器に精通する。作曲、アレンジ、プロデュースの分野でも活躍し、近年ではセルジオ・メンデスのユニットに参加し、これまでにない重厚なサウンドをクリエイトしている。


 

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Brazasia の紹介

 


早速 YUTAKA のオリジナル・ヴァージョン、カナダのジャズ・ピアニスト キャロル・ウェルスマンの二つのテイクをご紹介しよう。

Brazasia By YUTAKA


1990年にデイブ・グルーシンのプロデュースのもとL.Aのトップミュージシャンを一堂に集め制作された。ギターはオスカー・カストロ・ネヴィス、ヒカルド・シルヴェイラといったブラジル勢が担当。アメリカからはお馴染みエイブラハム・ラボリエル(Bs),カルロス・ヴェガ(ds)がリズムセクションを担当。更にゲストボーカルにポーリン・ウィルソインを迎えた豪華絢爛、グルーシンの力の入れようが窺える。

廉価版はこちら

検索キーワード:Yutaka Brazasia - Brazasia - YouTube


Brazasia By Carol Welsman


ジャズ、フュージョン、ポップス、ブラジル音楽など幅広いジャンルをこなすカナダの才人キャロル・ウェルスマン。演奏もさることながら彼女の歌声も大変魅力的だ。本サイトの Djavan(ジャヴァン)のページでもご紹介した通り相当のブラジル通だと思われる。ここではパーカッシブな16ビートをベースにジャズライクな都会的なアレンジでご機嫌なサウンドを聞かせてくれる。


検索キーワード:Brazasia - Carol Welsman


※Brazasiaは上記のアルバムには収録されていません。
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Brazasia のコード解析

 

 

大きく分けるとテーマ部、間奏部、2種類のコーラス部から構成される。長尺の大曲な為4つの部分に分けてコード進行を載せた。リズムや特に繋ぎの部分については実際の音源を参考にして頂きたい。テーマ部についてはオスカー・カストロ・ネヴィスが使用しているコードを載せたが、コーラス部、間奏部については一般的なコードを記載した。

テーマ部

キーはB♭でW△⇒V7⇒Ym⇒W#7⇒W△⇒V7⇒Ym と、よくあるコード進行。C△のコーラス部に移行する部分にG7のドミナントモーションを挿入している。オスカー・カストロ・ネヴィスの見事なカッティングに注目したい。簡単そうに聞きえるが実際にこのテンポで演奏してみると上手くドライブできなかったり、モタったりしてかなり難しい。

 

最初のコーラス部

この曲の最も印象的で美しいコーラス部。ブラジル音楽によく見られる独特な転調と流れるように変化していくストリングによって壮大な大陸感を醸し出している。ブラジル音楽ではお馴染みの アーギュメント、SUS4、ハーフディミニッシュを多用しゾクゾクするようなブラジル色を演出。

 

間奏部

すとんとボルテージを下げ淡々と美しいストリングが流れていく。いきなりAに転調しE♭△、C△、C−7を経て頭のA♭に戻る。イヴァン・リンスなどがよく用いるU-Xで次々と転調していく手法。

 

最後のコーラス部

最初のコーラス部とほぼ同じだがテーマの始まりW(A♭)のドミナントであるA7にアプローチする二つのU-Xが後半に追加されている。このトリッキーな転調の繰り返しに全く違和感のないメロディーが乗かっているところが素晴らしく、この曲の最大の見せ場、クライマックスになっている。

 

・指板上の 数字
 2拍子4分音符
・指板下の丸数字はフレットの位置。
・○は開放弦。

 

 

関連映像

 


YUTAKAの動画はなかなか見当たらない。実物をセルジオ・メンデスのライブで見たことが何度かある。それまで2キーボードのセルメン ユニットを観た事が無かった為、すぐさまもう一人のキーボード奏者に目が向いた。 若いころのYUTAKAの面影があり、気になって仕方がなかったが演奏が始まるや否や確信した。キーボードのセンスがずば抜けて良かった。後半のメンバー紹介でセルメンの「YUTAKA」という声が聞こえてきた。彼がセルメンに参加して以来、従来のライトでポップなサウンドがより重厚になり、ブラジル感を増したように思う。映像には現れないがYUTAKAが強力にアシストする迫力ある「Brimbau」をご紹介しよう。

 

検索キーワード:
Sergio Mendez 2006 Berimbau



 

2曲目「Fool on The Hill」の後半部(3:40)に僅かに映るYUTAKA。
検索キーワード:
Sergio Mendes - The Look of Love / Fool on The Hill



 

彼はセルメンと反対側の殆どライトが当たらない右奥隅のスペースで、キーボードに囲まれ、黒子のように演奏していた姿を今でも覚えている。

 

 

最後に

 


ジャズの和声を学び、曲を取り上げては理論的に解決しなければ気が済まない時期があった。

 

理論さえ知っていれば幾らでも曲を書けると信じていた訳だ。

 

この曲はその間違いを胆摘に指摘しているように思う。

 

 

 

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