L.Aとブラジルを股にかける偉大なるセッションマン
有能なサイドマンは自分がどんな音を出すべきかをよく心得ている。前に出過ぎる事もなく、引き過ぎる事もなく、確かな存在感をもって音楽をクリエイトしていく。今回ご紹介するギタリストはセッション経験では他に引けを取らないトップクラスのブラジリアン・アーティスト。
今も尚若手アーティストが厚い信頼を寄せるリカルド・シルヴェイラ。
注)ポルトガル語では"ヒカルド"と発音しますが、本ページでは"リカルド"で統一しています。
< プロフィール >
出生名: Ricard Silveira
出生: 1954 リオ生まれ 61歳(2016現在)
経歴: 20代から米国でセッションマンとして活動。エリス・レジーナのツアーの為祖国ブラジルへ帰国。エリスの死後1984年にリリースした「Bom de Tocar」でアルバム デビューを果たす。後の世界的フュージョン・ミュージック時代の到来と共に稀有なブラジリアン・アーティストとして注目を浴びる。L.Aに戻り10年近く音楽活動経た後再び帰国。エリス・レジーナ、ドン・グルーシン、パティー・オースチン、渡辺貞夫、ドリ・カイミなど著名なアーティスト達との競演経験も豊富。現在は自己のライブを精力的にこなす一方で多くのアーティストのサーポートをも務める。自己のアルバムも11枚リリースする実力、キャリア共にブラジルを代表するトップ・アーティスト。
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斑尾高原ニューポート・ジャズ フェスティバルの思い出
1980年〜1990年頃、日本は本場ジャズマンが出演するフェスティバルが度々開催される良き時代を迎えていた。山梨県河口湖で開催される富士マウント・ジャズ・フェスティバル、東京近郊で開催されるライブ・アンダー・ザスカイ、そして長野県斑尾高原で開催されるニューポート・ジャズ フェスティバルがその代表格だった。
特に"斑尾高原 ニューポート・ジャズ フェスティバル"は特別だった。宿泊施設もあり数日間の開催中本場のジャズマン達と野球や会話を楽しんだり、サインを貰ったりとジャズファンにとってこれ以上のイべントはなかった。
とりわけ1990年の斑尾は特別だった。アフリカ出身のギタリスト&ヴォーカリスト ジョナサン・バトラー、マイケル・カミロ、若きマイク・スタン、L.Aからはパティー・オースティン等が出演するとあって休暇をとり、友人達と出向くことになった。
私のお目当てはジョナサン・バトラーだったが "ドン・グルーシン&パティーオーステイン" グループにも錚々たるメンバーが参加していた。主役の2人リは言うまでもないが、チック・コリア エレクトリックバンドに長く在籍するエリック・マリエンサル(As)、エイブラハム・ラボリエル(bs)、チック・コリアのアルバムにも参加した経験を持つ トム・ブレックライン(Dr)、そして聴いた事のない名前 RICARDO SILVEIRA(Gt)がクレジットされていた。
それが彼を知るきっかとなった訳だが名前から察してラテン系のギタリストかな?程度の印象だった。
当日のドン・グルーシン&パティーオースチングループは想像を大きく上回る内容で十分楽しむ事ができた。リカルド・シルヴェイラのギターワークも素晴らしく、とりわけ終始楽しそうに演奏している姿が印象的だった。
季節がら軽くビールでも煽って演奏していたのではないかと思っている。
後日TVで放映された映像を発見したのでご紹介しよう。
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1990 斑尾ジャズ フェスティバルの リカルド・シルヴェイラ
検索キーワード:
Patti Austin with Don Grusin, Newport Festival 1990
1980年〜1990年代のリカルド・シルヴェイラ
冒頭のプロフィールでもご紹介したがリカルドはエリス・レジーナの死後(1982) 再びアメリカに渡っている。
アメリカL.A時代は自己のアルバムを制作する一方で同じくアメリカに活動拠点をおくドリ・カイミの作品にも参加し、彼の代表作「Kicking Cans」では素晴らしい演奏を残している。
リカルドがアメリカで発表したアルバム「BOM DE TOCAR」(1984), 「Skyl Light」(1989), 「Storyteller」(1995)から1曲ずつ私の好きな
テイクをご紹介しよう。
BOM DE TOCAR By Recardo Silveira (1984)
1984年L.Aのフォンタナ レーベルから発売されたデビューアルバム。
タイトル曲である"BOM DE TOCAR"はブラジルの某ラジオ局のテーマソングとして長い間放送された。当時のリカルドの珍しいライブ演奏を
ご紹介しよう。
検索キーワード:
Latin American All-Stars Good to play NSJF 1992
The Rio Thing / Skyl Light By Recardo Silveira (1989)
リカルド35歳の時の作品。大流行したウェスト・コースト フュージョンの潮流に乗って若さあふれるギターテクニックを披露。
ギタリスト リカルド・シルヴェイラを前面に押し出した作品。
検索キーワード:
Ricardo Silveira - The Rio Thing
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After the Rain / Storyteller By Recardo Silveira (1995)
リカルド41歳の時の作品。この頃から流行のフュージョン サウンドから遠ざかり彼のアイデンティティーであるブラジルの香りがより強く作品に現れるようになる。私の中ではリカルドの最高傑作。
検索キーワード:
Ricardo Silveira - Storyteller (1995) - After the storm
※キーワードにはAfter the stormとありますが正しくは After the Rain
再び祖国ブラジルへ
リカルド・シルヴェイラは1995年アメリカで最後のリーダーアルバム「Storyteller」を残し、祖国ブラジルに帰国している。
私が一番注目するリカルドの時代だ。アメリカ時代の派手な演奏は息を潜め、控えめながら十分存在感のあるギタープレイでブラジルの主役達を演出している。
確かな経験に裏付けされた匠にしか到達できない新境地を感じさせる
いぶし銀とも言える彼の近況を捉えた映像をご紹介しよう。
Nana Caymmi & Emilio Santiago
ナナ・カイミ、エミリオ・サンチアゴのデェットに見事華を添える
リカルド・シルヴェイラ。
検索キーワード:
Nana Caymmi - Olhos Negros
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JORGE VERCILLO
ジョルジ・ヴェルシーロのバックを務めるリカルド。彼の的を得たオブリガードはピアノレスの寂しさを全く感じさせない。
検索キーワード:
Jorge Vercillo - Papel Mache
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Beira do mar (Original)
アルバム「High Life」(1987) に収録されているリカルドのオリジナル。元は派手なフュージョン・サウンドだがここでは乾いたアコースティック・サウンドに変貌。
検索キーワード:
Beira do mar (Ricardo Silveira) | Instrumental Sesc
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Um cafe la em casa com
Nelson Faria & Ricardo Silveira
最後に
アメリカとブラジルを股にかけ40年ものキャリアをもつ
現役アーティスト、リカルド・シルヴェイラをご紹介した。
ビッグ・アーティストと一緒にまた日本に訪れる機会があるかもしれない。
その時は四半世紀ぶりにまた観に行こうと思う。
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