ルーラ・ガルヴァオン | ブラジル屈指のギタリスト

 

ルーラ・ガルヴァオン

 

ブラジル屈指のギターリスト

 

 

彼をぬきにして ブラジル界のギターリストは語れない。

 

日本ではまだ馴染みのない、オーソドックスなジャズとブラジルの伝統を
兼ね備えたギターの名手。

 

ルーラ・ガルブァオン氏をご紹介する。

 

多くのビッグアーティストから崇拝される音楽性、テクニックは
まさに絶品そのものだ。

 

彼の存在を知らずしてブラジル音楽は語れないといっても過言
ではない。

 

ご期待頂きたい。

 

 
アルバム :「Bossa da minha terra」

解説

ルーラ・ガルヴァオンが2008年に発表した初リーダーアルバム。アントニオ・カルロス・ジョビン、カルロス・リラ、ジョアン・ジルベルトらの名曲を含む全10曲を収録。ブラジルのジャズ系アーティストをフューチャーしながらルーラのギターが思う存分炸裂する。旧友のホーザ・パーソスと共演するジョビンの「Ligia」は珠玉の出来栄えだ。ブラジルファンのみならずジャズファンにもお勧めの作品である。

 

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ルーラ・ガルヴァオンとの出会い

 

1998年ごろでしたか、友人宅で聞いたホーザ・パーソスの歌に衝撃を受けて、その帰りに探し回ってやっと手にしたのが「Rosa Passos」というアルバムだった。

 

家に帰って早速聞いたところ思ったとおりホーザの歌はどれも素晴らしく暫く聞き入ってた所、10曲目の「Velera a Pena」のイントロを聞いた瞬間その繊細で美しいガットギターに驚いた。

 

すぐさまライナーノーツを手に取りクレジットされている名前を見ると 「Violao : Lula Galvao」... それが私とルーラとの最初の出逢いである。

 

続く13曲目の「Amor Em Paz」(英題ではOnce I loved)では不可解なハーモナイズにこれまた驚き、そんなこんながきっかけでルーラのアルバムを探し求める事になる。

 

当時は現在のようなネット通販もなく、買い求めるのに大変苦労した。

 

いつの間にか気がついたらホーザ・パーソスを始めとして彼が参加しているアルバムが殆ど揃っていた。

 

ルーラ・ガルヴァオンの音楽性

 

ともかく一度彼のギターを聴いてみよう。

 

映像サイトの検索キーワード :
Lula Galvao - Carinhoso


 

ガルヴァオンを知る上でこれほど貴重な映像はない。

 

数年前ならば、このような映像を自宅で楽しむ事など想像もできなかった。

 

聴いてお分かりかと思うが、彼が表現するブラジル音楽の基盤はジャズ
にある。

 

アドリブの本質がビーバップに根ざしているおり、加えてブラジル音楽特有のデリケートなハーモナイズを巧みに駆使し、そしてそれらはブラジル音楽の独特なリズムにうまく溶け込み、極めて自然に伝わってくる。

 

永遠に続くのではと思えてしまう程、シングトーン、コードソロのアドリブが湧水のように溢れ出てくる。

 

彼の目指す音楽にガット・ギターの音色は欠かせないのであろう。

 

ルーラはこのジャズには不向きなガット・ギターを巧みにコントロール
し、どんな早いパッセージでも見事にスイングしている。

 

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ルーラ・ガルヴァオンのプロフィール

 

彼は1962年ブラジリアで生まれ、ドラマーとベースを弾く兄弟をもつ
家庭に育っている。

 

28歳の時リオに移り住んだ時には既に才能が開花しおり、多くのリオのミュージシャン達から引っ張りだこであったと言われている。

 

その中の1人、イヴァン・リンスと共に1999年に来日しており、主役を
食わんばかりの演奏に観客一同が圧倒された事を覚えている。

 

これほどの演奏家が2008年に至るまで1枚のリーダーアルバムも
発表していない。

 

彼の参加するアルバムでは演奏は元より、アレンジ、構成においても
彼がリードしている。

 

あえて自分のリーダーアルバムを制作する必要もなかったのであろう。

 

彼が参加したアルバムが実は彼の作品であったのかもしれない。

 

ルーラ・ガルヴァオン初のリーダーアルバム

 

  「Bossa da minna terra」

 

待望の初リーダーアルバム「Bossa da minha terra」が2008年にリリースされた。ルーラ46歳の作品。冒頭の写真がアルバムのジャケットだ。

 

「Bossa da minna terra」とは日本語で「私の土地のボサノバ」という意味だ。全10曲とも彼のお気に入りのミュージシャンをフューチャーした形で全編ルーラが弾きまくっている。

 

ルーラ・ガルヴァオンを知りたい、満喫したいという方にはこれ以上の
作品はない。

 

どれも素晴らしい出来栄えだがお気に入りは5曲目のジョビンの名曲として知られる「Ligia」だ。

 

ボーカルはお馴染みのホーザ・パーソス。ルーラらしいハーモニクスを散りばめた繊細なイントロに始まりジャージーなスローバラードに仕上げている。

 

ギターリストを目指す方は是非コピーしてみては如何だろう。

 

今回初のリーダーアルバムと言う事で、選曲、アレンジ、演奏 全てに力が
込められている。

 

ブラジル音楽のファンのみならずジャズ通の方にも是非聞いて頂きたい。

 

ルーラ・ガルヴァオン おすすめの関連作品

アルバム 「ROSA LULA」


アルバム:「ROSA LULA」

タワーレコードからのご購入はこちら

 

ボサノヴァ、サンバの名曲がエントリーされており、全体はアコースティックなジャージーなサウンドで統一されている。

 

お気に入りは2曲目の「Folha Morta」。ギタートリオにルーラが間奏をかぶせるかたちで録音されてる。ジャズ ギタリストを目指す方にとっても大変参考になる演奏。

 

10曲目の「Faceira」はルーラの編曲の才能、センスが光るオシャレに仕上がった傑作。

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アルバム 「Azul」


アルバム:「Azul」

タワーレコードからのご購入はこち

 

珍しくルーラがエレクトリックギターを使用している。2曲目のジャバン作曲で有名な「Samurai」では都会的な雰囲気の中、絶妙なバッキングを披露している。こんなバッキングがあるとは・・。つくづくルーラの底力を思い知らされた。

 

13曲目の「Amor Ate o Fim」はルーラお得意のフルートによる2声アレンジが光る。ホーザもノリノリで最初から最後まで体の動きが止まらない、そんな一曲だ。

 

ご機嫌なベースを奏でるパウロ・パウレッリ氏は サンパウロの 「Trio Corrente」 というブラジリアンジャズトリオのベーシストで昨年(2014) ブルーノート東京にも出演している。ピアノのファビオ・トレス氏と共にブラジルの売れっ子セッションマンで、動画サイトではビッグアーティストのバックで度々登場している。

 

Trio Corrente については別コーナーで詳しく触れていきたい。

 

共演者の声

 

初リーダーアルバム「Bossa da minna terra」のライナーノーツからトップアーティスト達の声を紹介する。

 

「ルーラ・ガルヴァオンを始めて聞いた時、その才能、創造性と天分に深い感銘を受けました・・・」 by ホーザパーソス

 

「多くの天才的なヴィオラオン奏者がいるなかで、ルーラ・ガルヴァオンは、ビッグの中のビッグ、ミュージシャンのなかのミュージシャンと呼べる存在。非の打ち所のないソリストであり・・・ガルヴァオンは、いつ聴いても最高です。」 by ジョイス

 

おすすめ 映像

ジャズ・ギタリストの顔

検索キーワード:
A prata e o ouro - Cd Camaleao - Ademir Junior


 

ヒカルド・シルヴェイラとのスタジオ ギター・デュオ演奏

検索キーワード:
Lua Galvao no Estudio 66 com Ricardo Silveira


 

何れも解説は不要だ。

 

最後に

 

本年(2015年)に来日し、渡辺貞夫氏の日本ツアーに参加している。

 

今後も来日を重ねて頂き、素晴らしい演奏を日本の音楽ファンに聞かせて
もらいたい。

 

私の最もお気に入りで、尊敬してやまない音楽家。

 

ルーラ・ガルヴァオン氏を紹介した。

 

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