ジョビンの名曲
コルコバード ( Corcovado )
ブラジルのリオデジャネイロ市街を見下ろす丘、「コルコバード」の
タイトルをもつこの曲は1963年、アメリカで制作されたアルバム「Getz/Gilberto」によって発表された。
アントニオ・カルロス・ジョビン 自ら作詞も手掛けた 数少ない作品の一つでもある。シンプルな楽曲に納められた、その完璧ともいえる旋律は多くの音楽ファン、演奏家から広く愛され、今日に至るまで世界各国で歌い継がれている。決して忘れ去られる事のないジョビン名曲、「コルコバード」をご紹介する。
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コルコバードの丘にそびえ立つキリスト像
楽曲 コルコバードについて
ジョビンの最高傑作とうたわれる、1974年に発表されたアルバム
「Elis & Tom」から最高のテイクをご紹介しよう。
Elis Regina(エリス・レジーナ)が歌うコルコバード。
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Corcovado, Elis Regina e Antonio Carlos Jobim, 1974 Sandra Galiano Bustos
ジョビンのファンにどのテイクが最高かと聞けば、100人が100人これを挙げるだろう。歌詞、旋律、ボーカル、編曲のどれ一つを取っても申し分ない出来栄えだ。それにしてもエリスの歌声はなんと美しい事だろう。彼女は天賦の美声と抜群の歌唱力を兼ね備えた歌手だが、ここではあたかも市井の女性が歌うかの如く、囁くような震える声で見事に表現している。歌唱力はもとより、彼女の繊細な感受性や音楽に対する深い洞察力がこの短い楽曲の中に集約されている。
淡々と進行するエリスの歌を支えるストリングや管楽器のアレンジも非の打ちどころがない。因みにイントロや間奏で用いられるメロディーは今となっては楽曲の一部として定着しており、アレンジの余地は無い。間奏の後半部に登場するジャズのリックを思わせる印象的なメロディーは特に有名で、ジョビンが強くジャズの影響を受けた事が窺える。
前節でご紹介した通り、1963年にアメリカでリリースされ、その後英語の歌詞に翻訳された「Quiet Nights」によって世界中に伝播した。本アルバムはその後アメリカ ロサンジェルスに於いて制作されたが、リリース当時(1974年)、既にボサノヴァ ブームは終焉を迎えており、全編ポルトガル語の歌詞も相まって、アメリカでリリースされる事はなかった。しかし一方で、この曲がジャズ的要素を多く含んでいた事から長い間ジャズ・ミュージシャン達に愛され、取り上げられてきた歴史もある。
1980年代以降、近年のジャズ系ミュージシャン等によって再びブラジル音楽が取り上げられ、その高い音楽性が認められようになる。
コマーシャリズムに踊らされ登場したブラジル音楽は、長い紆余曲折を経てようやくその真価が認められた。その主役級の作品が本アルバムであり、今回ご紹介する「コルコバード」と言えよう。
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コード進行
このサイトで度々紹介しているガル・コスタ のライブ映像から
名手マルコス・テイシェイラのバッキングを1コーラス コピーしてみた。
マルコス・テイシェイラの記事はこちら
キーはB♭(Gm)だがオリジナルをよりジャズ風にアレンジしており
興味深い。右手のリズムは映像を参考に工夫して欲しい。
・指板上の 数字は2拍子、4分音符の拍数。
・指板下の丸数字はフレットの位置。
・○は開放弦。
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アルバムの紹介
アルバム: ELIS&TOM
おすすめの映像
Hagai Rehavia氏のギター・ソロ
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"Corcovado"(Jobim)- Bossa Nova Guitar finger style arrangement by Hagai Rehavia
イスラエル出身のギター奏者 Hagai Rehavia氏のプロフィールは不明だ。クラシックのテクニックをベースに独自のアレンジでビートルズからブラジル音楽まで、ポップスを中心にソロ演奏を披露している。コードの使い方、選曲からも トニーニョ・オルタ氏の影響が窺える。左手のストレッチや右手の親指の使い方はお見事!
最後に
1931年、ブラジルの独立を記念してコルコバードの丘にキリスト像が建設された。
ジョビン4歳の時である。
リオデジャネイロ出身のジョビンは幼少の頃からその丘を見て
育ったに違いない。
歌詞で唄われる、 コルコバードの丘でギターを奏でながら女性と
愛を語りあう光景はリオを知らない私でさえも、ロマンチックな気分に
誘われてしまう。
ブラジル国民が永遠に忘れることのないであろう、ジョビンの名曲
コルコバードをご紹介した。
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