イヴァン リンス | リオが生んだ天才作曲家の人生

 

 

イヴァン・リンス 総力特集


ブラジル MPBを語る上で欠かすことの出来ない重要人物
”イヴァン・リンス”の特集コーナーです。

 

MPBファンは勿論、ジャズ、ポップスファンからも絶大な人気を誇る
彼の足跡と作品をご紹介していきます。

 

デビュー当時から現在に至るまで順を追って彼の作品、ライブでのエピソード、彼を支える著名なバックアーティスト達を随時ご紹介していましょう。

 


<プロフィール>
出生名: Ivan Guimaraes Lins
出生日: 1945年6月16日
出生地: リオ・デ・ジャネイロ
紹介  : 生まれ持ったブラジル人の感性とジャズの独学から出発した彼の音楽は独創性に富み、他に類を見ないユニークかつ深遠なメロディーはMPBをはじめ本場アメリカのジャズシーン、ポップス・シーンにも多大な影響を与えた。1971年のデビュー以来30年以上に渡って制作された膨大な作品は高い音楽性のみならず彼の情熱、生き様がぎっしり詰まっている。70歳を過ぎた現在でも精力的に音楽活動を続けるまさにブラジル音楽界のレジェンド。


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イヴァン・リンスの三大名曲

 

1960年初頭ブラジル音楽がアメリカに上陸し一大センセーショナルを巻き起こした事は音楽ファンの方であればご存じの事でしょう。爆発的なボサノヴァブームが衰退する一方で、潜航するかのように有能なブラジルの音楽家達がアメリカに渡りました。その代表格はイヴァン・リンスを始めイリアーヌ・イリアス、オスカー・カストロ・ネヴィス、セルジオ・メンデス、ドリ・カイミ、ヒカルド・シルヴェイラ、ルイス・ボンファ・・・などはご存じの方も多い事と思います。中でもジャズをルーツに持ち、ブラジルサウンドをブレンドしたリンス独特なメロディーは多くのアメリカン・アーティスト達の心を捉え、そして彼らによって米国を起点として世界中の音楽ファンの知るところとなりました。

 

オープニングとして メロディーメーカー イヴァン・リンスの作品の中から鉄板の名曲をご紹介します。



Comecar De Novo (Iland) 

公開サイト検索キーワード:Ivan Lins - Lee Ritenour - Dave Grusin - Islands 1985

Comecar De Novo (Iland)
この映像は私がイヴァン・リンスを初めて知る事となった映像。リー・リトナーの初代フュージョンバンド(ジェントルソウツ)をバックにリンスの熱唱が聴きどころで、彼の独創的な曲想を象徴する初期の作品。妖しげな転調を繰返すコード進行をバックに、極めて自然なメロディーがリンスの艶やかな声と共に響き渡ります。
コード掲載



Love Dance

公開サイト検索キーワード:Love Dance_Jane Monheit_Ivan Lins_Lyrics

Love Dance
アメリカから発信され世界中で愛され続けるリンスの名曲中の名曲。代表的なアーティストではジョージ・ベンソン、サラ・ボーン、ダイアン・シュアー等が取り上げ、今日に至るまで数多くのカヴァーが誕生してきました。あまり知られてないところで、個人的には一番気に入っている"ジェーン・モンハイト"(ジャズ・ボーカリスト)とリンスのデュエット版をご紹介します。リンスもさることながら実力派モンハイトの甘く切ない歌声が聴きどころのラブソング。



Velas Icadas

公開サイト検索キーワード:Toots Thielemans - Velas 1981.wmv

Velas Icadas
歌曲と共にインストルメンタルとして世界中の演奏家達から愛され続けた名曲。昨年(2016/8)この世を去ったクロマチック・ハーモニカの世界的権威"トゥーツ・シールマンス"の演奏はとくに有名。今回は彼を追悼して1981年にクインシー・ジョンズとのジョイントアルバム"The Dude"からトゥーツ・シールマンスの演奏をご紹介します。リンスのメロディーに乗って、煌めくハープとホイッスルが輝きを放つ快演!天国のシースマンスに合掌。



 

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イヴァ・ンリンスの世界をお楽しみください

 


イヴァン・リンスが半世紀以上に渡って生産し続けたプロダクト 、曲、アルバム、数々の名演、さらに世界中のアーティストのカバー作品を併せるとその量は莫大で、何から手を付けていいのか戸惑ってしまいました。とにかくカテゴリや分類分けは後に回して、私のライブラリから思いつくがままにご紹介していきましょう。

LEMBRA DE MIM

公開サイト検索キーワード:LEMBRA DE MIM - AMANDA BRECKER & IVAN LINS

LEMBRA DE MIM
イヴァン・リンスの大きな魅力の1つはスローバラッドで、おそらくカバーの数も群を抜いていると思います。その中でも" LEMBRA DE MI"は最もカバー多く、世界中で愛されつづける名曲の一つに挙げられるでしょう。1995年にリリースされたアルバム「Anjo de Mim」の収録が1stテイクですが、彼自身何度かリメイクするほどのお気に入りの一曲。今回のご紹介するテイクはアメリカの若手ジャズシンガー "アマンダ・ブレッカー"とのデュエッット版。どこかで聞覚えのある名前? そうですジャズファンならよくご存知のランディ・ブレッカー(Tp)、ブラジルの天才ピアニスト イリアーヌ・イリアスの間に生まれたお嬢さん。天才アーティストの血を受け継いだのでしょうか、クールで繊細な歌声がこの繊細な曲を見事に演出しています。甘くロマンティックなバラッドをリンスの最新映像と版と併せて2曲ご紹介します。



Acaso

公開サイト検索キーワード:Raquel Saraceni - Acaso

Acaso
またまた甘く切ないバラードのご紹介です。2001年に発売されたアルバム"Jobiniando"に収録された"Acaso"。長年に渡って世界中のアーチストが取り上げてきました。特に女性ボーカルのカバーの多さでは一番ではないでしょうか。有名どころでは オランダ出身の"トレインチャ・オーステルハウス"、アメリカジャズ界屈指の女性ヴォーカリスト"ジェーン・モンハイト"、ポーランドが生んだ世界の歌姫"アナ・マリア・ヨペック"、ブラジルの新人歌手"ラケル・サラセニ"・・etc 。女性の心を掴んで離さないリンスの名曲中の名曲。それではおすすめのテイクを3つほどご紹介しましょう。



-Dinorah, Dinorah

公開サイト検索キーワード:Ivan Lins y Aca Seca Trio - Dinorah

Dinorah,Dinorah
イヴァン・リンス 初期の名作 "Somos Todos Iguais Nesta Noite"(1977)に収録されている、ファンにはお馴染みの曲"Dinorah,Dinora"をご紹介します。オリジナルテイクではミディアム・テンポでリンス独特の艶やかなボーカルが光る、初期の代表的なサウンドといってよいでしょう。2000年以降結成された最強ユニットではリンスが絶賛するレオナルド・アムエド(Gt)のソロをフューチャーするなど、ジャズの色彩が強くなってきました。古くはエリス・レジーナのアルバム"Elis especia"(1979)や、ジョージ・ベンソンの大ヒットアルバム" Give me the night"(1980)にも収録されています。ではリンスの最も新しいスタジオ映像から順にご紹介しましょう。



 

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イヴァン・リンスを支えた 最強の布陣

 


イヴァン・リンスがアメリカのミュージシャン達との交流が盛んになる1980年代頃から、彼の音学は少しづつ変化してきました。メロディーは次第にジャズ色が強くなり、また音楽的志向もリンスとバックミュージシャンという関係から、全員でサウンドをクリエイトする方向に傾き、トップアーティスト達の演奏力やアイデアを取り込むことで よりダイナミックでヴァリエーション豊かなサウンドへと進化してきました。私もその一人ですが、リンスの音楽に触れ、ブラジルのプレイヤーの質の高さに驚いた音楽ファンも多いかと思います。

 

とりわけ私2001年頃から結成されたユニットは最強の布陣と呼ぶに相応しい、1stコールのトップレイヤー揃いです。

メンバー紹介

Marco Brito (マルコ・ブリート) (Pf)
Teo Lima (テオ・リマ) (Dr)    
Nema Antunes (ネマ・アントゥネ) (Bs)
Marcelo Martins (マルセロ・マルチンス) (Sax)
Armando Marcal (アルマンド・マサール) (Per)
Leonardo Amuedo (レオナルド・アムエド) (Gt)

 

ブラジル音楽は詳しくない方でも、ジャズに詳しい方なら アルマンド・マサール(Per)がパット・メセニーバンドで如何に活躍していたかご存知の方も多いはずです。では百見は一聴に如かず、彼らの演奏映像をご紹介しましょう。

 

最強ユニットのスタジオ映像

公開サイト検索キーワード:Ivan Lins - Daquilo Que Eu Sei

Daquilo Que Eu Sei (1981)
1981年にリリースされた アルバム「Daquilo Que Eu Sei」のタイトル曲です。ご紹介する演奏はオリジナルテイクとは全く異なります。全員の熱が伝わってくる映像で、高質でスリリングなアレンジの上にリンスの爽快な歌唱力が冴える、最高の出来栄え。なによりもリンスの表情がそれを物語っています。それではお楽しみください。



最強の布陣 Vs メトロポール オーケストラ

公開サイト検索キーワード:Ivan Lins - a gente merece ser feliz

A gente merece ser feliz (2008)
後期の作品の中でも最大級の傑作 "Ivan Lins & Metropole Orchestra"は オランダのクラシック名楽団 メトロポリタン・オーケストラとの共演盤。ブラジル最強の布陣との激突です。オーケストラとのジョイントと聞いてチョット逃げ腰でしたが、聴いてビックリ リンスの進化が止まりません! 新旧 名曲を織りまぜオーケストラをバックに,ビッグなスケールで再現。壮大なシンフォニーを背景にレスポールを奏でるクールなアムエドも見どころ。2009年ジャマイカで開催された「Java Jazz Festival 」のライブ映像と併せてご紹介します。




 

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イヴァン リンスを愛したミュージシャン達

 


1980年代、リンスは大きな転機を迎えました。活動の拠点をアメリカに移し、多くのジャズマンとの交流を深め音楽的に大きく成長した時代と言えます。一方、アメリカのミュージシャン達はかつて聞いたこともないリンスの音学に触れ、競う合うように彼の曲を取り上げ始めました。デイヴ・グルーシン、クルセイダーズ、クインシー・ジョーンズ、マンハッタン・トランスファー、パティー・オースティン、トゥーツ・シールマンス、ジョージ・ベンソンなど枚挙にいとまがありません。驚く事にエラ・フィッツジェラルド、サラ・ボーン、カーメン・マクレエといった大御所のシャズシンガー達までもリンスのカバー作品をリリースしています。そして今日に至るまでその熱は冷める事なく、装いを新たに世界各地で拡散し続けてきました。このコーナーではリンスのカバーでも特にお勧めの映像、音源をご紹介したいと思います。

Freddy Cole (フレディ―・コール)

公開サイト検索キーワード:Freddy Cole-I’m Not Alone

Anjo De Mim
2000年に発売されたアメリカのトップ・アーティスト達によるリンスのカバー集 "a love affair"。スティング、グローバー・ワシントンJr、ダイアン・リーブスなどジャズ、ポップスファンにはお馴染みのアーティストが名を連ねています。その中でも私の好きなテイク 英題 "I'm Not alone" (原曲Anjo De Mim)をセレクトしてみました。どこかで聴いた歌声?そうですナットキング・コールの実の弟 フレディ・コール。彼のソフトでムーディーな歌声がリンスの名曲を引き立てる極上の逸品。お楽しみ下さい。



Manhattan Transfer (マンハッタン トランスファー)

公開サイト検索キーワード:The Manhattan Transfer - Metropolis

Arlequim Desconhecido
1987年にリリースされたマンハッタン・トランスファーの隠れた名盤、超おすすめの逸品です。イヴァン・リンスを含む全曲ブラジリアン アーティストの曲を取り上げた異色作。1980年に発表されたリンスのアルバム"Novo Temp"の大ヒット曲"Arlequim Desconhecido"をアメリカン フュージョンサウンドに乗せてマントラのパワグルなコーラスが炸裂します。私にとって思い出深いアルバムなので、もう一つ最高のテイク ジャヴァンの"Capim"をご紹介します。




Vanessa Williams (ヴァネッサ・ウィリアムス)

公開サイト検索キーワード:Vanessa Williams sings Love Dance

Love Dance
フレディ―コールでご紹介したアルバム"A Love Affair"の収録曲。とにかくカバーの多さではNo1間違いなし。カーメン・マクレエ、ダイアン・シュアーまでジャズからR&Bに至るまで幅広く歌い継がれています。ご紹介するのはアメリカ R&B界の人気歌手&女優の"ヴァネッサ・ウィリアムス"。ミスアメリカに輝く美貌の持ち主でTVに映画に大活躍。歌の方もオマケではなく絶品物 テクニックで捏ねくりまわすのではなく持ち前の美声でストレートに歌う飾らない芸風。ゴージャスな愛のひと時、お楽しみください。



Vanessa Williams (シュテファン・オバーホフ)

公開サイト検索キーワード:"Love Dance" HEARTBEAT BRAZIL Live In Laguna Beach!

Love Dance
ホームページでもスポットをあてたドイツハンブルグ出身のジャズ系マルチプレイヤー兼 作曲、アレンジ、プロデユースまでこなす音楽の申し子 シュテファン・オバーホフ。地元ヨーロッパから発進、アメリカで大活躍した後、行き着いた場所がブラジル。イヴァン・リンスのライブを聴いて世界が一変したとの事。10年間のブラジル生活を経て結成したバンドが"HEARTBEAT BRAZIL"。福島原発事故でキャンセルが相次いだ2011年、勇敢にも訪日して素晴らしいステージを披露してくれました。それではお待たせしました 最高のブラジリアンサウンド!お楽しみ下さい。




Elis Regina (エリス・ヘジーナ)

公開サイト検索キーワード:Madalena - Elis Regina & Ivan Lins

Madalena
リンスを愛したミュージシャンは国外だけなくブラジル国内にも数多くいます。その中でも筆頭に挙げられるのがご存じ"エリス・ヘジーナ"。彼女はリンスに限らずジョアン・ボスコ、ヒカルド・シルヴェイラ等々、才能豊かなブラジリアン アーティストを世に送り出してきました。リンスもその中の一人、1970年に彼女が取り上げたリンスの初期の名作"Madalena"の大ヒットにより、いち早く表舞台に登場しました。この曲はアメリカにも伝播し、かのエラフィッツ・ジェラルドが歌った事でも有名。デビューアルバム「Agora」にはオリジナルテイク、「INVENTA RIO」にはセルフカバーが収録されていますが、今回ご紹介するのは一番お気に入りのテイク、 エリス&リンスのライブ盤から最高に楽しい マダレーナ! お聴きください。



Chico Buarque & Wilson das Neves

公開サイト検索キーワード:Sou Eu - Chico e Wilson das Neves

Sou Eu (私は)
2012年にリリースされた近年を代表する名作"Amoragio"から"Sou Eu"をご紹介しましょう。歌うは、本年(2017)73歳を迎えたMPB界の重鎮"シコ・ブアルキ"と81歳を迎えるサンバ界の長老パーカッショニスト"ウィルソン・ ダス・ネヴェス"。リンスのライブでは"Sou Eu"の大合唱が起こるほどの人気ナンバーでシコ・ブアルキとリンスの共作とクレジットされています。淡々としたブラジルの伝統的なメロディーの中に2人の暖かい人柄が凝縮されていると申しますか、聴いているだけでとても幸せな気分にさせてくれます。人生を知り尽くした2人の飾らない歌声でお贈りします。何度もお聴き下さい、心が洗われることうけあいです。



 

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イヴァン リンス の 名盤

 

 愛され続ける 永遠のメロディー

 

 

イヴァン・リンスのアルバムに駄作は無いといっていいでしょう。70年代初期の作品に於いても、録音技術は劣るもののそのメロディ ラインは近年の作品と比べて遜色は無く、新しいアレンジを施したカバーが数多く存在します。

 

このコーナーではデビュー当時から近年に至るまで、彼の代表作や隠れた名盤を掘りおこし、ご紹介して参ります。

 

 

Modo Livre (モード・リーヴリ) 「RCA 1974」)

公開サイト検索キーワード:CILIANE MAJOR - ESSA MAR

ESSA MARE
リンスファンにはお馴染みのアルバム「Modo Livre」。 1974年に発表された初期の作品で、リンスの出発点を語る上で欠かす事の出来ないアルバム。リンス ミュージックの方向性を示唆しており、この時代にこんなメロディーを!と 驚かされる曲が満載。特にオススメの"ESSA MARE"はジャズ・シーンから現代のポップスに至るまで、幅広いジャンルのアーティストに愛され続けています。2015年にリリースされたブラジルのシンガー"CILIANE MAJOR"(シリアンメジャー )のアルバム「QuatroEstacoe」から、ジャズテイスト溢れるご機嫌なテイクをご紹介しましょう。



 

 

Um cafe la em casa com

 



Nelson Faria & Ivan Lins



 

 

投稿にあたり

 


イヴァン・リンスのアルバムを隅から隅まで聴き直し、ライナーノーツやブラジル音楽専門誌をあさりつつ 彼の足跡を辿ってみますと、改めて彼が残した膨大な作品、そして比類なき才能に驚かされました。
少しずつですか掲載を続けイヴァン・リンスの全貌に迫っていきたいと思います。------>続く

 

 

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