ピーター・スプラーグ (ピーター・スプレイグ) | ワールドミュージックを自在に演出する 隠れたギターの天才

 

ピーター・スプラーグ (Peter Sprague)

 

ジャンルを超え自在にギターを操る 隠れた天才

 


好きなジャズ ギタリストはと聞かれれば、ウェス・モンゴメリー、ジョージ・ベンソン、エド・ビッカート、ジョン・スコフィールド、パット・マルティーノ そして今回ご紹介するギタリスト ピーター・スプラーグ
(Peter Sprague)を挙げる。

 

ジャズ ファンならお馴染みのギタリスト達だが、彼 ピーター・スプラーグについては知らない方も多いだろう。彼はガット・ギターを多用しジャズ、中南米音楽、からビートルズを始めとするポップスに至るまで自在に操る隠れた名手である。

 

 

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ピーター・スプラーグとの出会い

 


ブラジル音楽に興味を持ちガット・ギターを購入した1995年頃だったか、早速ブラジル アーティスト映像を求めて行きつけのレコードショップに足を運んだ。ローリンド・アルメイダと見知らぬギタリストをカップリングした「Guitarists Collection」というビデオを見つけ、早速購入した。勿論、お目当てはローリンド・アルメイダだったが、いきなり始まったギタートリオの演奏に釘付けになった。黒のギブソン チェット・アトキンスを自在に
操るギタリスト。それがピーター・スプラーグだった。

 

その時の映像をご紹介しよう。

 

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Words and Music / KPBS Club Date with Peter Sprague



 

1987年サンディエゴ エラリオス・ジャズクラブに於けるライブ演奏

Peter Sprague - guitar
Tripp Sprague - sax
Bob Magnusson - bass
Duncan Moore - drums

 

その後ビデオデッキが壊れ、今はお蔵入りしているがその後インターネットの普及で幸運にも彼の演奏と再会できた。

 

ラテン音楽を得意とする彼の演奏、「Desafinado」 をお聴き頂きたい。

 

検索キーワード:
Peter Sprague Plays "Desafinado"



 

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク (Doc)を演じるクリストファー・ロイドを想わせる風貌だが、現代にタイムスリップしてもギターの腕は衰えるどころか更に磨きがかかっている。御年60歳である。

 

冒頭でもご紹介したが彼はジャズに留まらず世界中の名曲を見つけては自己のアレンジで独自の音楽を創造するアーティスト。その中でも私が大変気に入っているビートルズの「Can't Buy Me Love」、ジョン・コルトレーンの演奏でお馴染みの「My Favorite Things 」を続けてご紹介しよう。

Can't Buy Me Love

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Peter Sprague Plays Solo: "Can't Buy Me Love"



ライブ演奏のようだが一体どんなホールだろう?チャージは幾らだろう?
観客はご近所さん? この服装は?などなど色々と考えてしまうが演奏は文句なし。 

My Favorite Things

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Peter Sprague Plays "My Favorite Things"



 

 

ピーター・スプラーグのプロフィール

 


発表されている作品は殆どが入手困難な為彼に関する情報は非常に少ない。英版のウィキペディアの一部を抜粋、要約しご紹介する。

 

1955年10月11日アメリカ オハイオ州クリーブランド生まれ。チャック・ローブ、ハイラム・ブロック等と同年代のギタリスト。社会学者である父と精神療法医である母はジャズに熱心な音楽家でもあった。その影響で幼い頃からマイルス・デイビス、ベニー・カーターとスタン・ゲッツといったジャズ・ミュージックを聴いて育ったという。

 

12歳でギターを手にした当時、スプラーグはビートルズ、ジミー・ヘンドリクス、クロスビー、スティル&ナッシュなどのロックを好んで演奏していたが、15歳の頃からジャズに興味を抱き始めジャズギターのレッスンを受けるようになる。その後彼の弟であるサクスフォン奏者 トリップ・スプラーグらとクインテットを結成。地元でギグを開始している。

 

当時サンディエゴ高等学校に在籍していたが両親の勧めもあり全寮制の名門 「Interlochen Arts Academy」で1年間学び、その間チック・コリアのピアノ奏法の解析を行っていた。1976年にはクラシック・ギターを学び、彼が尊敬するパット・メセニーからレッスンを受ける。1978年サンディエゴのデルマーに於いてケヴィン・レトーや弟トリップ・スプラーグ等とグループ「The Dance of the Universe」を結成。地元で高い人気を博し後に初のアルバム「You Make Me Want to Sing」を発表した。

 

その後チャールズ・マクファーソンとのレコーディングがジャズ・レーベル「Xanadu(ザナドゥ)」の目に留まり4枚のレコーディングの契約を交わす事になる。

 

こういった活動の中、スプラーグはチック・コリアと出逢い 彼が主催するパーティーに招かれる。因みに同席したミュージシャンはアル・ジャロウを始め ハービー・ハンコック、ロジャー・ウィリアムズ、ウェイン・ショーターそしてH・ローズ等、錚々たる顔触れだった。チックはスプラーグの演奏に感銘を受け、ディズニーランドにおけるコンサートの出演をスプラーグに申し出ている。その時の演奏を評論家 レナード・フェザー氏は
"隠れたアメリカの偉大なギタリスト"と称賛し、競演したチックもスプラーグの演奏を褒め称えている。

 

1985年にスプラーグは「ミュージシャンズ・インスティチュート」と「カリフォルニア芸術大学」で教職に就く。その間、ラテンの音楽を求めるスプラーグは歌手ケヴィン・レトーと彼女の夫 マイケル・シャピロに再会し、それを切っ掛けにセルジオ・メンデスとも共演している(80年代の8年間ケヴィン・レトーはセルジオ・メンデスのユニットに在籍していた)。

 

1991に結婚、2年後に長女が生まれる。それを機に彼はツアー活動をやめ 実家があるサンディエゴ エンシニタスに拠点を置き音楽活動を展開していく。自宅にスタジオを設け、また自身のレーベル「SBE Records」を設立し、演奏はもとより作曲、アレンジ、プロデュース、録音エンジニアと幅広く彼の才能を開花させていった。・・・・

 

引用:百科事典 『ウィキペディア英語版』より一部翻訳。
2016年2月1日 (月) 19::08 UTC
URL:https://en.wikipedia.org/wiki/Peter_Sprague

 

彼は38歳の頃地元サンディエゴに籠り、第一線から遠ざかる事になる。38歳といえば演奏家、音楽家として最も脂がのった充実期でもある。
ウィキペディアにも書かれているが、もしニューヨークやロサンゼルスで
精力的に音楽活動をしていれば間違いなく名声と富を手にできただろう。
しかしピーター・スプラーグは彼や家族が望むライフスタイルを選択した。

 

最後に彼の現在の近況を捉えた映像を2つほどご紹介して終わる。

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Peter Sprague Group Plays "Can't Buy Me Love" at the Del Mar Christmas Concert



 

Peter Sprague - guitar
Tripp Sprague - sax
Leonard Patton - vocals
Kevyn Lettau - vocals
Gunnar Biggs - bass
Duncan Moore - drums
in Del Mar, California on December 24, 2011

 

検索キーワード:
TouTube Peter Sprague Plays Stevie Wonder



 

Peter Sprague ? guitar
Geoffrey Keezer ? keyboards
Gillian Margot ? vocals
Leonard Patton ? vocals
Justin Grinnel ? bass
Duncan Moore ? drums

 

 

ジャズギタリスト達のラテン ミュージック

 


超一流ジャズギタリスト達による名演をご紹介しながら
今回はお別れです。

Ensenada By ピーター・スプラーグ 


今回の主役、スプラーグのオリジナル曲。チック・コリアから影響受けただけあって、聴く度に「Return To Forever」の"What Game Shall We Play Today"とオーバーラップしてしまう。


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KPBS Club Date with Peter Sprague Ensenada



ブラジリアン ストンプ By ジョージ・ベンソン 


88'年厚生年金ホールでのライブ。私も観に行ったが人生最高のステージだった。後日TBSが放映した映像だがこのビデオテープもお蔵入りしている。80年代のベンソンは本当に凄い。まさに無敵の王者。


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George Benson & Earl Klugh - Brazilian Stomp



 

サニー(Sunny) By パット・マルティーノ


ジャズマンがよくボサノバで演奏する名曲。ジャズギタリストを志す者、一度はこのテイクのコピーを試みそして挫折感を味わう。パット・マルティーノの神業的アドリブが聴きもの。


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Sunny - Pat Martino Live!



 

ヒア ザット レニイ デイ By ウェス・モンゴメリー


70'年当時この映像(8mm)はマニアの間で50万程の闇値で売買されていた。即興とは思えないウエスの歌心溢れるアドリブが絶品。現在は2000円程度で購入できる。買わなくて本当によかった。


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Wes Montgomery - Here's that rainy day [[HQ]]



 

Dr Macumba By アール・クルー


若き日のアール・クルー。ブラジル音楽が好きな彼の代表作 "ドクター マクンバ"。何度もライブを観に行ったがエンディングは全てこの曲だった。詳細は省略するがバックの顔ぶれが豪華な超レア映像。


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Earl Klugh at BEST NIGHT MUSIC



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最後に

 

 

少しブラジル路線から脱線ぎみになったがブラジル音楽と

 

アメリカンジャズはその昔から交流し合い、互いに影響を

 

与えながら発展、進歩を遂げてきた。

 

その中で今も活躍する隠れた名手 ピーター・スプラーグ

 

をご紹介した。

 

次はブラジリアンによるジャズについてお話しようかと思う。

 

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